お話の要旨

 みなさん、おはようございます。総務省 行政相談委員の木村と申します。
 2010年(平成22年)1月が第1回目で今年で11年目です。第1回目より私は、参加させて頂いています。


 これから、皆さんは、就職や進学、又は家業を継がれるなどで、各方面に行かれますが、進学する人も、ゆくゆくは就職されると思います。

 
まず最初に、8分ほどお話しします。あとは、それらの注釈とそれを実践する智恵獲得の方法です。その後は目をつぶっていても結構です。

 今は、スマホがあれば、おおよそのことが分かります。だが、スマホの情報だけで物事をすすめると、取り返しのつかない事態になることがあります。「(実行)する前に相談することです。」トラブルなど発生時などの非常時に、どのように対処するかにかかっています。 

 
コロナ感染拡大の中、生活するうえで全てが行政に繋がっていきます。たとえば、夫婦間のDVは人権問題ですが、奥さんと子どもを保護して隔離、子どもの転校と教育、ハローワークでの就探し、児童手当など各種手当、医療、公共料金、住宅、生活支援(保護)など生きていく中で行政が関わってきます。 

 行政相談制度は、世界に誇る日本独特の取り組みで、全国津々浦々、どんな小さな田舎でも、これほど親切なサービスが行き届いていることを住民自身が知らないなら利用のしようがない。よって、知らないのは、「制度がない」のと同じです。
 さらに、各種の公的相談委員も、その存在を知られていないなら「居ない」のと同じ。

 
そこで、本日皆様とお会いするように、困った方々との相談機会の確保や各種制度の広報並びに委員の存在を知らしめる活動に常に取り組んでいかなければならないのです。
 社会に出ることは、出来るものと出来ないものを見極めながら、出来るものを伸ばし、出来ないものを出来るように経験を積みながら勉強することです。資格取得もそうでしょう。専門学校や大学へ行くのは、可能性を広げるためです。

 
仕事や勉強と並行して大切なものがあります。それは人権問題です。人権侵害は人が人に与えるもので、見えにくい所でおこるものです。

 
世の中には、見えるものとみえないもの、感じないもの、聞こえないものがあります。昼間、天(空)を見上げると見えないが星はあるのです。地が揺れていても弱かったら感じないのです。人は、悩みを持ったり、人権侵害を受けたら、助けを求める叫び、うめき声を発しているが、周りの人には聞こえないのです。人は、目で直に見て確認して、聴いて納得したものなら安心して信用します。本日は、見えるようにお話ししたいと思 います。

 
会社でのパワハラをはじめ各種のハラスメントで、病気に成って社会復帰出来ないでいる人、ひきこもりの人、最悪には命をなくす人もいます。有名大学への進学、一流企業への就職ばかり考えるんではなく、社会人として、どう生きてゆくかが大切です。

 
皆さんは学校で12年間勉強をしてきておりますが、社会に出て人間関係で困ったときの対処の仕方を習ってきていません。よって、戸惑ってしまい、すぐつまづいてしまう人が多いのです。ひきこもりは、15歳から39歳まで54万人、40歳から64歳までは61万人です。これは判明しただけの数字です。

 
私は、就職して配属されたら、まず人間観察(ウォッチング)をすすめています。周りの人のおおよその行動・感情パターンがわかってきます。だが、注意するのは、人は一面で判断していけないことです。たとえば、几帳面な人と思っていたが、いいかげんな所もあると気づきます。よって、人は矛盾対立の人生を歩かないと生きていけなく、調和をとっているのです。

 
これまで、両親や家族に守られてきました。これからは、自分で自分を守ることになります。
 感じない人もいますが、必ず大なり小なり人権侵害を受けます。人間は万能で はない。一人で何でもしようとしないこと。できる人を使うことも大切です。出来ないことは、できる人に頼る勇気を持つことです。専門機関に相談していることを周囲に知れても、それが抑止力に成ります。人権侵害を受けたら、一人で解決しようとしないでください。一人では解決できません。

 
世の中には、運が良くて幸せな人がいるんです。企業も人を採用する場合は、運のいい人、幸せな人を採用した方が組織や企業は成長します。皆さんも、付き合うなら幸せな人と付き合いなさい、そうしたら自分も幸せな人生を歩むようになるからです。わからないなら、相手の親に会いなさい。

 
意地悪する人は不幸な人なんです。自分の不幸や不満を他に与えて自分を平準化したいからです。幸せな人は意地悪しないのです。何故なら満たされており意地悪する必要はないからです

 
職場で、周りの人と自分に対する対応や態度などが違うと感じだしたら、まず行動を起こしてください。

 
たとえば、同じ部屋なのにメールで送るとか。自分だけ会議や飲み会を知らなかったとかです。メモ・日記・記録・録音しても犯罪ではありません。

 
そして我々行政相談委員や人権擁護委員や民生児童委員などの専門家や機関に相談することを覚えておいてください。人は、最善最高を想定して何事も取り組むものです。しかし、全てがうまく行くとはかぎりません。

 
もし、災害をこうむる、事故にあう、電車に乗っていたら、突然逮捕されたときなど、あなたはどうしますか。

 
最悪の事態に成ったらどうすればいいのか。取り組む前から失敗を考えておけば、最悪の事態に遭遇しても最良へ向かう手掛かりに成ります。いわゆる逆転の発想です。このように、あらゆることへの挑戦に際し想定範囲で準備しておけばいいのです。失敗からのリカバリーの繰り返しが力になります。よって、トラブルに遭遇して、それらを乗り越える力こそがあなたの真の能力です。

 
本日は、これから向かわれる社会への、ひとつのヒントとしてとらえていただき、人生に活用し応用してください。